生き地獄天国
太田出版
2000.10
生き地獄天国〜
雨宮処凛自伝
ちくま文庫
2007.12
解説:鈴木邦男 |

 |
自伝。アトピーという持病があり、いじめられっ
子として過ごし、自分の居場所を求め、ヴィジ
ュアル系追っかけとなり、天野可淡の影響で
人形作りをはじめるが、アトピーのせいで挫
折。民族派右翼に覚醒し、「超国家主義『民族
の意志』同盟」の女闘士・活動家として<ミニス
カ右翼>の異名を取る。さらに民族派パンク・ロ
ックバンド「姫処凛」「維新赤誠塾」「大日本テ
ロル」を結成、ボーカルを務めるようになり、映
画「新しい神様」に出演し、次第に自己を実現
してゆく過程を描く。
文庫版では、最終章を増補。 |
暴力恋愛
講談社
2002.1
暴力恋愛
講談社文庫
2005.2
解説:狗飼恭子 |

 |
初の長編小説。ドキュメンタリー映画監督とそ
の被写体となった女性の関係 (注意…本書は
フィクションであり、現実とは関係がありませ
ん。) を軸に、自身の恋愛がなぜ激しく、暴力
にも似て相手を希求するのか、が問われる。
ここで、問題となっているのは、自身の精神の
中に宿る虚無であり、それを回復するために
自分を認めてほしいという際限のない欲望が
生まれる。 |
自殺のコスト
太田出版
2002.2 |
 |
圧倒的な情報収集力で、自殺にまつわるコス
トを徹底的に暴き出し、自殺を社会学的・経済
学的観点から捉えなおす。本書には、自殺の
良し悪しは書かれていない。しかし、自殺への
ロマン的憧憬を粉砕し、死への一歩手前で再
考させる書物である。 |
アトピーの女王
太田出版
2002.9 |
 |
自身のアトピー体験を赤裸々に語った著作。
読めば、救われるセラピーの書。 |
悪の枢軸を訪ね
て
幻冬舎
2003.2
幻冬舎文庫
2004.12
|

 |
よど号のメンバーに招待されて、北朝鮮に渡
り、さらにはイラクに渡り、フセインの大統領宮
殿にまで招かれた経験を語るルポタージュ。
悪の枢軸と呼ばれる国の本当の姿を伝えると
ともに、いつの世でも犠牲者は罪のない民間
人であり、飢餓や戦争、全体主義的統制で殺
されてゆく罪のない民間人の立場からすれ
ば、「偉大な主席」や「民族の誇り」、「アラブの
大義」など何の意味もないと説く。 |
EXIT
新潮社
2003.11 |
 |
自傷系ネット掲示板に書き込まれたリストカッ
トやオーバードーズという衝撃的な世界を描い
た問題小説。自分を傷つけることで、世界から
注目され、自分を意味づけたいという欲望が、
ささいな挑発の言葉により、暴走し、悲劇的な
最後を迎えます。 |
戦場へ行こう !
〜雨宮処凛流・
地球の歩き方〜
講談社
2004.3
|
 |
「群像」で連載されたエッセイ「『北』の国から」
の単行本化。はじめてのガサ入れにはじまり、
北朝鮮問題に関わり、戦争直前のイラクに向
かう…あまりにもパンクな生き方のドキュメント
である。 |
ともだち刑
講談社
2005.3
ともだち刑
講談社文庫
2008.4
|
 |
「あなた」と「わたし」の関係のバランスが狂うと
き、いじめが発生し、それは次第に過酷なもの
になってゆく。いじめ問題を真正面から取り組
んだ長編小説。 |
すごい生き方
サンクチュアリ出
版
2006.1
すごい生き方ブロ
グ
http://www.
sanctuarybooks.jp
/sugoi/blog/ |
 |
2年間のうちに、6万人以上というイラク戦争に
よる死者を上回る自殺者を輩出する日本に向
けて発せられた緊急メッセージ。雨宮が提言
する「すごい生き方」とは、たとえ地獄を経験し
ようとも、この生を全的肯定する型破りの喜悦
に満ちた生き方である。 |
バンギャル ア
ゴーゴー(上・下)
講談社
2006.10
|

 |
ヴィジュアル系バンドの追っかけにのめり込む
女の子たちの鮮烈な青春を描いた作家として
の雨宮処凛の最高傑作。「もう一つの世界」を
示してくれたロックの世界、親や学校との軋
轢、そして恋愛。疾走する青春と引きちぎられ
るような心の痛み。 |
生きさせろ!
〜難民化する若
者たち
太田出版
2007.3 |
 |
日本の労働者の1/3が、非正規雇用であ
り、24歳以下になると1/2が非正規雇用と
なる。低賃金で使い捨てにされ、難民化して
ゆく若者たち。21世紀になって生存権の確保
すら難しくなった現代の状況とは?
ネオリベラリズムの問題点を鋭く照射。プレカ
リアートの連帯を訴える。 |
右翼と左翼はどう
ちがう?
河出書房新社
14歳の世渡り術
2007.5
|
 |
シリーズ「14歳の世渡り術」の1冊として刊行
された過激な教科書。右翼と左翼の歴史、テ
ロや革命、そして思想と政治行動を判りやすく
解き明かし、大人の世界の考えの多様性に目
を開かせる。左右の現役活動家へのインタビ
ューも収録。 |
ワーキング・プア
の反撃
(福島みずほとの
共著)
七つ森書館
2007.7 |
 |
社会民主党党首の福島みずほとのワーキン
グ・プワ、ネットカフェ難民、フリーター問題を
巡る対談。「自由と生存のメーデー07」通じて
意気投合した2人は、社会にはびこる自己責
任論を痛烈に批判する。 |
雨宮処凛の「オ
ールニートニッポ
ン」
祥伝社新書
2007.9 |
 |
フリーター、ニート問題をテーマにしたインター
ネットラジオ番組「オールニートニッポン」の書
籍版。「こわれ者の祭典」代表の月乃光司氏
や作家・ミュージシャンのAKIRA氏から、筋肉
少女隊の大槻ケンヂ氏まで、総勢10名のゲ
ストとの対話を収録。 |
プレカリアート
〜デジタル日雇
い世代の不安な
生き方
洋泉社新書
2007.10 |
 |
今やプレカリアート(不安定階級)のジャンヌ・
ダルクと呼ばれるようになった雨宮処凛による
「若年貧困層」の報告書。巻末では、石原慎太
郎東京都知事との対談を決行。 |
全身当事者主義
〜死んでたまる
か戦略会議
春秋社
2008.2 |
 |
傍観者ではなく、あくまで当事者として、さまざ
まな社会の諸問題(いじめ、自殺未遂、プレカ
リアート、戦争等)について、真正面から格闘
するという姿勢のもと、森達也、高遠菜穂子ら
合計6名とディープにと語る対談集。 |
貧困と愛国
(佐高信との対
談)
毎日新聞社
2008.3 |
 |
赤木智弘の「『丸山眞男』をひっぱたきたい〜
三一歳フリーター。希望は、戦争。」が生まれ
ていた背景、フリーターの側からの問題提起
に評価をしつつも、貧困問題からナショナリズ
ムに帰結するのではなく、プレカリアートの連
帯を模索する雨宮処凛が、世代を超えて論
客・佐高信と出会う。注目の対談集。 |
雨宮処凛の闘争
ダイアリー
集英社
2008.5 |
 |
反貧困ネットワークの立ち上げから、グッドウィ
ル「データ装備費」返還集団訴訟まで、次々と
成果を挙げてきたプレカリアートの連帯による
闘争の記録。読めば、必ず勇気の出る本。
Webサイト「マガジン9条」の連載を単行本
化。 |
「生きづらさ」につ
いて〜貧困、アン
デンティティ、ナ
ショナリズム
(萱野稔人との対
談)
光文社新書
2008.7 |
 |
『国家とはなにか』『権力の読みかた』を書いた
哲学者、萱野稔人との対談。精神的な生きづ
らさをテーマにした作品から、最近の経済的な
生きづらさの問題を射程におさめた作品に至
るまで、雨宮処凛の軌跡を追いながら、1998
年以降、毎年3万人を超える自殺者を生み出
している異常な社会にメスを入れる。2007年11
月に朝日カルチャーセンターで行われた対談
と、同年12月に行われた阿佐谷ロフトAで行わ
れた対談を再構成して収録。 |
週刊 金曜日
2008.7.25 (712
号)
特集 よみがえる
『蟹工船』
対談 井上ひさ
し・雨宮処凛
(株)金曜日 |
 |
雨宮処凛も編集委員のひとりとして名を連ね
る『週刊 金曜日』での井上ひさしとの対談は、
小林多喜二のプロレタリア文学『蟹工船』を、
現代の観点から再評価するというものであっ
た。 |